就職・転職は結婚と同じだと例えられます。もしも契約社員として入社した会社の試用期間が過ぎてから「合わない」と感じたとき、あなたはどうしますか?!「契約社員だからいつでも退職できるよ」と思っているのが落とし穴です。
それは契約社員には契約期間が生じるからです。今回は「契約社員として入社した会社が自分に合ないとき」をテーマに、契約社員が退職をする場合のやむを得ない理由の作り方についてご提案します。
契約社員と正社員の違いを整理しよう
契約社員にメリットを感じ入社した方もいればやむを得ない理由で正社員として働くという選択ができなかった方もおられるでしょう。契約社員のメリットとして考えられるのは下記です。
- 転勤がない
- 掛け持ちが許されることがある
転勤が当たり前で、会社側の決定に従わなくてはならないのが正社員ですが、これまで社会人をしていて契約社員で転勤を命じられたという話は聞いたことがありません。なかには副業やアルバイトが許されている会社もありますよね。逆に、正社員と比べていちばん違うと感じるのはボーナスや昇進がないことでしょう。
上記のようなメリット・デメリットとは別の違いもあります。正社員は雇用期間の定めがありませんが、契約社員は3ヶ月・6ヶ月・1年など期間を決めて雇用契約をします。最長3年まで契約を結ぶことができますが、基本的に契約を満了するまで働かなくてはなりません。あなたはどのスパンでの契約か、把握されていますか?!
契約期間が1年を超えていれば契約社員はいつでも退職することが可能
契約期間がどうであれ、仕事を始めた日から1年が経過している契約社員はいつでも退職することが可能です。つまり3年契約で入社しても1年経てば退職することは可能です。ただ、専門知識を要するような職業に就いている場合は対象外となる可能性もあるので、契約書の内容をきちんと把握していることは大事です。
ただ、仕事を始めてまだ数か月しか経っていないのに、退職したいと思うことはありますよね。そんなときに足かせになるのが「契約」です。
思っていたより縛りがある契約社員
正社員やアルバイトは「この会社合わない」と思ったら会社側が文句を言おうと最短で労働基準法に定められた2週間という日数で退職したりすることが可能です。
実際、私が勤務していた会社では入ったばかりの人が「退職します」と言って2週間で去って行くことがよくありました。また派遣社員さんが契約期間に関係なくどんどん辞めていってしまう(仕事がきつすぎるから)という事態もありました。
正社員が退職するのは意外とあっけないな、また派遣社員は雇用主が違うからうちにいる契約社員と仕事や扱いは同じでも、縛りはゆるいのかなと感じていました。一見正社員のほうが辞めることが難しいと思いがちですが、実際は勤務年数が1年未満の契約社員のほうが契約期間途中での退職が難しいようです。
ここ数年は景気が落ち着いてきましたが、何が起こるかわからない時代、会社は最低限の人員で稼働しています。またボーナスや退職金などを支払わなくても良いという契約をし、社員はほんの一握り、契約社員をたくさん雇う会社も多いです。
仕事ができる管理者ほど契約社員の契約期間をきちんと把握しているので「このプロジェクトに就いてもらおう」「あの仕事をさせよう」などプランを立てているものです。
それなのに、雇ったばかりの契約社員から「退職したい」と言われるとプランが台無しになります。「困るよ、契約期間が残ってるじゃない」とトラブルになるケースがありますよ。
契約途中でも辞められる!退職理由
ただ、正当な理由があれば契約途中でも退職することは可能です。
合意解約による退職
縛りがあるとはいえ会社側がOKを出せば契約は解除できます。例えば、入社してしばらく働いてから紹介で正社員として仕事ができる機会が与えられたとします。こんな好機がやってきているのに契約期間の縛りで台無しにはしたくないですよね。
まずは直属の上司に理由を説明し理解してもらいましょう。会社側も契約社員としてしか雇うことができないのですから、相手が正社員になるチャンスを潰すようなことはしないはず、了承してくれるでしょう。
SNSなどで時々見かけますが、嘘をついて退職したり急に欠勤したりするといった行為は止めましょう。会社はどこで繋がっているかわからないからです。転職ししばらく経ってから良くない退職の仕方をした会社と関わることになると、現職にも悪影響を与えるかもしれません。
また、特別人間関係が悪くなくても自分に合わない会社はあります。「合わないから辞めます」と言ってしまうとトラブルの原因を作ることになるので「正社員になるために転職する」や「勉強したい」など言い方を変え退職したい考えを伝えると良いです。
契約途中で合意を得て退職したいなら、きちんと話をして理解を得てから退職しましょう。
やむを得ない理由がある場合の退職
契約途中であってもやむを得ない理由があれば退職することができます。「やむを得ない理由ってなに?!」と思いますよね。詳しくご説明します。
- 契約内容が守られていない
- 本人のケガや病気
- 家族の介護
私も契約社員として少し働いた時期がありますが「あれっ?!」と思うことは多々ありました。例えば、正社員より責任ある仕事を任されたり仕事のボリュームが多かったりしませんか?!また定められた労働時間を超えて仕事をしていることはありませんか?!定められた賃金が支払われてしますか?!
なかにははじめの契約と異なる仕事内容になっていたり危険を伴う作業を強いられていたりする場合もあります。「あれっ?!」と思ったときは交わした契約書を確認しましょう。労働条件が契約当初と異なるのは解約のやむを得ない理由になります。
心身の病から、どうしても働けなくなった場合は退職することができます。自分が元気でも家族の介護などで仕事を続けるのが困難になるケースもあります。このようなやむを得ない事情があり場合も直属の上司に早めに相談しましょう。
仕事や人間関係の悪化から精神を患うのもやむを得ない理由!
前項のようなやむを得ない理由の他でも退職したいと思うことはありますよね。仕事が自分に合わないだけでなく人間関係の悪化から心の病気を患うことがあります。職場で嫌な思いをしていませんか?!下記のような行為を受けていたらやむを得ない理由は作れますよ。
- モラハラを受けている
- パワハラを受けている
- セクハラを受けている
上記もれっきとしたやむを得ない理由、現在多くの社会人が人間関係に悩んでいます。特定の人をターゲットにいじめを行ったり暴言を吐いたり、成績が上がらないと大勢の社員の前で説教を受けたりされていませんか?!また立場を利用したセクハラを許していませんか?!
こういったことで退職するのは自分が悪いわけではなく負け犬でもありません。重ねてお伝えしますが、きちんとした退職理由になるので、我慢せず直属の上司や人事部に相談しましょう。内容が悪質な場合は弁護士などプロに依頼し、退職の意向を示した日から出社せず(引継ぎなどを行わない)示談金を得て退職をすることも可能です。
やむを得ない理由を明確にするために証拠をを残そう
以前はこういったことは目に見えないのでなかなか認めてもらえませんでしたが、最近は社会がとても敏感になっています。より退職理由を明確にするために、ボイスレコーダーを使用して言動を録音したり嫌がらせを受けた証拠(破損したものを画像に残す)を押さえたりし、人事部に提示することが大事です。
契約途中の解約による損害賠償はめったに起こされない
SNS上で「契約途中に退職して損害賠償請求されるかも?!」や「会社から損害賠償請求をすると脅された」という投稿を見かけます。例えば動画サイトに会社のイメージを損ねるような投稿をしたり横領したりしては当然のように損害賠償請求されるでしょうが、手続きが面倒なので特別会社に迷惑をかけておらず普通に解約したいと申し出ただけではそのような仕打ちを受ける可能性は低いです。
契約社員ではなく正社員を目指そう
さまざまな事情があり契約社員という道を選んだと思いますが、待遇などの面を考慮してもやはり正社員として働いたほうが心身が満たされます。
ただ、売り手市場と言われていても契約社員からの転職と考えるとハードルが高いと思われるかもしれません。ここからは契約社員からでも転職に成功するためのコツをお伝えします。
エージェントサービスに依頼する
転職サイトのなかに転職のプロが転職をサポートするエージェントサービスというものがあります。このサービスは企業と転職希望者をマッチングさせる仕事、それぞれの業界に長けた転職のプロが市場の動向はもちろん、あなたにベストな企業を提案してくれます。
エージェントサービスに登録するとまずは担当者と面談し、そこで働き方やこれまで経験したことについて詳しく話し転職の方向性を一致させます。履歴書の添削や面接の指導をしてくれるだけでなく、素人では難しい面接のスケジューリングなども行ってくれます。
例えば自分で転職活動をする際は平日に面接が設定され会社を休まなくてはならないことがありますが、エージェントサービスを経由すると自分の休みの日に面接を受けることも可能になります。自分の代わりにこういった交渉もしてくれるので、思っている以上に転職活動がスムーズに行えますよ。
やむを得ない理由で退職したい場合も相談に乗ってくれる
人間関係が悪く職場に居づらいなど、人には言えないし揉めて退職するのも嫌ですよね。エージェントサービスに相談すれば転職活動をサポートしてもらいながらより良い退職方法を提案してくれます。
契約社員ではなく正社員としてボーナスが欲しいし昇給して正当な評価を得たいですよね。試しに転職サイトを検索してみてください。