海外で働くのを夢に見ながらも、なかなか踏み出せない方はたくさんおられると思います。言葉や文化の違い、さらには家族やパートナーがその考えを受け入れてくれるかも心配ですよね。年をとってから海外で活躍されている方も多いですが人生は一度きり、思ったときに行動を起こさなくては後悔が残ります。
この記事では日本人が海外で働くために必要なことや職業についてさらにスムーズに海外で働くための方法をご紹介します。
日本人が海外で働くには?!こんな業界で活躍している
日本人が海外でどのような仕事に就いているのか、私がこれまでに出会った方や聞いた方の職業をご紹介します。
ツアーガイド・現地ガイド
海外旅行が好きな方はツアーガイドがおすすめ、なかにはある地域の文化や人たちに惚れこみ移住し現地でガイドをしているという方がおられますよ。現地の企業に就職する方もいますが、多くはフリーランスで活躍されています。例えばホテルと契約をしたり日本の旅行会社と契約し(オプショナルツアーなど)現地で日本人向けのツアーガイドをされたりしています。私がカナダで出会ったツアーガイドさんのお話を少しします。
その人はバンフというロッキー山脈のふもとでガイドをしている30代の男性です。山や生き物が好きでスノーボードを通してカナダをたびたび訪れるうちにバンフに住みたいと思うようになったそうです。自分に何ができるのか考えたら、スノーボードのインストラクター、しかしそれだけでは絶対に食べていけないのはわかっていたから猛勉強をしてツアーガイドになったそうです。
現在夏は観光ガイド・冬はスノーボードのインストラクターをされています。収入の多くは日本の旅行会社と契約した仕事だそうで季節によって変動があると言っておられました。同じ街で出会った日本人女性と結婚しています。移住から5年くらいたってようやく両親をバンフに招待できるようになったと言っておられました。
好きなことがあったりその土地や人が好きだったりしたら、その場所でできる仕事を見つけるのもアリですね。ご紹介した現地ガイドさんの経験を聞いていると、はじめからうまくいくというわけではないようですが、日本人でも自分の努力しだいで海外で働くことはできます。
日本語教師
日本の文化に興味を持つ外国人が増えている、また将来的に日本で働くために日本語を学びたいという外国人は多いです。日本語教師は圧倒的に不足していて、しかも若年層が少ないと言われていて、なかにはバックパッカーを採用してカリキュラムなどない、めちゃくちゃな日本語を教えている学校もあるそうです。
だからきちんと学んで現地に入った日本語教師は重宝がられます。
日本語講師になるには定められた講習を受けなくてはなりません。また、報酬もそれほど高いとは言えないそうです(アジアの場合日本円で12万円程度)。しかし、海外で仕事がしたい方やその地域に惚れこんだ方ならお金ではなくその場所で過ごす価値のほうが高いですよね。
通訳
海外に進出している日本企業は多いです。最近はAIの発達により通訳がなくなると言われていますが、そんなことはありません。仕事において大事なのは対人関係、それを企業はよくわかっています。だからビジネス会話を必要とする仕事の場において日系企業から通訳の依頼はどんなにAIが発達してもありますよ。もしもあなたが語学力に長けているなら通訳として活躍するということを念頭に置いてみてがいかがでしょう。
調理師
世界的に日本食ブームなので、海外では日本食の求人がけっこうあるそうです。これまでは「なんちゃって日本料理」を提供する店がありましたがインターネットの普及によって本物がどのようなものかを知る人が増えました。だから日本料理を日本人が提供するということに価値を見出している外国人は多いです。
もちろん寿司・そば・うどんなど日本料理店だけでなくカフェやバールなど、器用で丁寧な対応ができる日本人はどのような飲食店でも重宝されますよ。
クルーズ船のスタッフ
クルーズ船というとセレブなイメージがしますが、最近は100万円ほど出せば世界一周ができるクルーズ船もあるため若者からお年寄りまで多くの人に人気を集めています。そのクルーズ船での仕事内容は下記です。
- 調理師
- ウエイトレス
- ハウスキーパー
- 清掃員
- スポーツジムのトレーナー
- 各種インストラクター
- メンテナンス
仕事として調理師やウエイトレスは想像がつきますね。クルーズ船では長い船旅を快適にするためにいろいろな催しが行われています。例えば定番のダンスパーティーのためのダンス教室・ヨガ教室・趣味(編み物などハンドメイド)のインストラクターなどです。クルーズ船によってはサービススタッフとざっくりと記載されていてオールマイテイな対応を求められることもあります。
働くのは前提だし拘束時間は長いけれど、きちんと休みはあります。お給料をもらいながら世界各国を回り旅行することができるというのはとても贅沢な働き方ですよね。
【日本人の繊細な感性がウケている】アーティスト
ハリウッドで活躍するメイクアップアーティストは有名ですが、海外では日本人が持つ繊細な感性が高評価を受けています。例えば美容師・写真家・ジーンズ職人・ネイルアーティスト・ダンサーなどです。
このまえテレビを観ていて「おっ」と思ったネイルアーティストをご紹介します。
この女性はロサンゼルスで活躍しているネイルアーティストなのですが、誰も思いつかないようなぶっ飛んだデザインのネイルを施す方です。しかし1つ1つを見てみると繊細で丁寧な仕上がり、外国人にはこういった細やかな作業ができないからとても受けています。顧客には著名人が名を連ねています。
彼女はネイルの学校を卒業後国内でネイリストとして働き始めるのですが、求めるものが違うことに気づき渡米し資格を取得されたそうです。依頼の基本はインスタグラムを通して行われるようですが、数か月待ちは当たり前というくらいの人気アーティストです。
彼女は基本的に日本語しか話せません。異なる言葉同士でどうやってデザインを決めるのかというと、ジェスチャーやSNSで彼女がアップしたデザインなどからアレンジ、デザインが決まればスケッチブックに書いて確認をとりながら作業されていました。
日本人が海外で働くには外国語に長けているほうが良いのはわかりますが、彼女のようにジェスチャーで伝える能力や画力があれば十分仕事として成り立つのですね。
農業や酪農家
何度もお伝えしますが、日本人は作業が丁寧です。外国人が適当に行うことでも日本人は配合や相性を研究しその物が最大に良くなるよう努力したり安全に配慮したりしますよね。海外で働くには外国語は多少必要ですが、コツコツと努力ができ作業が苦手でない方なら農業や酪農も視野に入れてみてはいかがでしょう。
実際、海外で農園を開いている日本人はおられますよ。
日系の保育園・幼稚園
海外駐在員の子供が通う日系の保育園や幼稚園があります。保育士などの資格があればなお良いですが、仕事内容によっては資格がなくても採用されることがあります。仕事においては相手が日本人なので、語学力に自信がない方でも海外で働くことができる仕事ですね。
日本人が海外で働くために必要なこと
日本人が海外で働くために必要なことについてご説明します。ポイントは日本国内でも海外でも求められるのは同じということです。
伝える力を身につける
外国語がそれほど話せなくても就ける仕事があることがわかりましたが、日常生活を送るうえで行きたいと思っている国の言語は最低限知っておかなくてはなりません。事例でご紹介したネイルアーティストの方のようにボディランゲージや絵を使うなど、言葉では伝わらない場合の対策も身につけておくべきです。
目的を明確にする
外国人はぼんやりとした答えが嫌いです。仕事に就いてからはもちろん、採用試験の段階でも何となくの答えではなくどのようになりたいのかを明確に伝えるようにしましょう。
また、海外で働くというのは着地点ではありませんよね。せっかく就職できたのに熱が冷めてしまっては意味がありません。自分が海外で働く意義についても明確にしておきましょう。
その国の歴史や文化を知る
イスラム教徒の方は犬を嫌うこと、またインド人が牛を食べないことをご存知ですか?!何も知らずにその国に入って恥をかいたり信用を失ったりするまえに、その国が信仰する宗教や歴史や文化を勉強しておきましょう。
働く国のことだけでなく自国の歴史や文化についてもおさらいし話せるようになっておくとより良いコミュニケーションツールになります。
危機管理能力を高める
日本人は公共交通機関で居眠りをしたり無防備に化粧をしたりしますが、外国人からすると考えられないことだそうです。日本人はお金を持っているというイメージがあるため狙われやすいし女性の場合は乱暴の対象にもなります。
外国ではアンテナを張って、たとえ現地で仲良くなった人に誘われても危うき場所には近づかないようにしましょう。
日本人が海外で働くための近道
さぁ、海外へ行って働こうと思っても何からすればよいかわからないという方に、海外で働く近道についてご紹介します。利用するツールは転職サイト、誰でも登録・相談できます。
相談するところは転職サイトのエージェントサービス、転職のプロが親身になってアドバイスしてくれます。転職サイトを見るとたくさんの企業が掲載されていますが、エージェントサービスに登録すると一般の方では閲覧することができない優良企業の情報も得られます。現職をスムーズに退職する段取りや海外渡航のタイミングなどもアドバイスしてくれますよ。
海外進出している企業はたくさんあるため、まずは何からしようかと迷った方はぜひエージェントサービスに登録しスタッフの方に相談してみてください。素人がひとりで考えるより転職のプロのアドバイスがあったほうが良いですよね。